女性のからだの基礎知識
こちらでは、女性のからだに関する基本的なことをご説明しております。
生理や妊娠など、一度は保健体育の授業で習ったことも、実は忘れてしまっていたり、ちょっと恥ずかしくて普段は話せなかったりするのではないでしょうか?
ご自身のからだのため、また男性の方は大切なパートナーのことを理解するためにも、もう一度振り返ってみましょう。
月経(生理)について
女性は生まれたときから、赤ちゃんをつくるために必要な卵子を約200万個持っています。思春期以降は、ホルモンの働きによって、この卵子を排出します。これを排卵といいます。
排卵に向かって、子宮内膜(赤ちゃんを育てるための部屋)を厚くし受精卵を受け止めるための準備を始めます。受精卵が着床すれば妊娠しますが、妊娠しなかった時には古い内膜がはがれ落ち、血液と一緒に体外に排出します。これを月経といいます。月経後はまた新しい内膜が育ちます。
月経が始まった時から次の月経が始まる前日までを生理周期と呼び、通常25~38日周期で繰り返します。この周期には、個人差があります。
生理周期と基礎体温
女性の体温は月経と排卵を境に移り変わります。月経開始後から排卵までの期間は一定の体温が続き低温期といいます。
排卵後から次の生理開始までの期間を高温期といい、低温期にくらべて0.3~0.4℃体温があがります。
基礎体温を測ることで、自分のからだのリズムが分かります。
生理周期とホルモンの変化
女性ホルモンは2種類あります。ひとつは基本的な女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)であり、もうひとつは排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)です。
どちらも脳からの指令をうけて、卵巣から分泌されます。
エストロゲン(卵胞ホルモン)は、月経後から徐々に増えていき、排卵前にピークとなります。そして排卵後にもまた多くなります。一方、プロゲステロン(黄体ホルモン)は排卵後から分泌されます。エストロゲンもプロゲステロンも、妊娠しなければ少なくなり月経になります。
月経周期で変動する女性ホルモンのバランスを知ることで、排卵や月経、体調の変化の予測を立てることができます。
妊娠しやすい日
排卵日はもちろん妊娠しやすいですが、実は排卵日の2~3日前から妊娠しやすい日となっています。排卵日はおおよそ次の生理が始まる14日前になりますが、予測するのは簡単ではありません。
妊娠週数について
妊娠期間は十月十日(とつきとおか)などといいますが実際は少し違います。
最後の月経から2週間目に排卵し、妊娠したとします。
次にくるはずだった月経の予定日(最後の生理開始日から4週後)が妊娠4週、40週目がお産の予定日となります。
具体的な例をみてみましょう。
1月1日から月経がはじまり、1月中旬の排卵で妊娠したとします。
1月末には尿の妊娠検査薬が陽性となります。
桜の花が咲き始める3月26日には妊娠中期(妊娠12週)に入ります。
梅雨入りしそうな6月4日から22週となり、これ以降に赤ちゃんが生まれると早産です。
夏の間、赤ちゃんはぐんぐん成長します。
暑さも落ち着く9月17日に37週に入り、もう赤ちゃんが生まれても良い時期(正期産)です。
10月8日(40週)が、いわゆる分娩予定日です。
妊娠検査薬が陽性になってから、8カ月後には赤ちゃんが生まれている、ということです。
思ったより早い経過ではないでしょうか。