不妊について
妊娠可能な年齢の男女が、妊娠を希望して性交渉を行っているにもかかわらず、1年間妊娠しない場合を不妊と考えます。その場合は、妊娠しにくい原因がある可能性が高く、検査を受けることをおすすめします。
なお、はっきりとした原因がある場合は、1年未満の経過でも不妊として対応します。
晩婚化のこの時代、不妊に悩むカップルは少なくありません。6組に1組のご夫婦が不妊治療をうけたというデータもあり、身近な問題となっています。
おもな不妊原因
原因はひとつとは限りません。カップルとして、ひととおりの検査が必要です。
女性側
- 卵巣の働きの問題:排卵していない。黄体機能が弱い。
- 卵管の問題:詰まっている。または通りが悪い。
- 子宮の問題:着床を妨げるような子宮筋腫や子宮内膜ポリープがある、など。
男性側
- 精子の問題:精子数が少ない。運動率が低い。
- 性機能の問題:勃起障害(ED)など。
おもな検査
基礎体温
毎朝目が覚めた時に婦人体温計で測定した体温を記録します。
排卵の有無、排卵の時期、黄体機能を評価できます。
ホルモン検査(血液検査)
基本的なホルモンは月経3日目頃、黄体機能を調べるために排卵後7日目頃に採血を行います。
超音波検査
初診時に子宮・卵巣自体の異常がないかどうか調べます。ふだんの診察では、排卵日を予想するために卵巣の中にある卵胞(卵子が入っている袋)のサイズを測ります。
卵管検査
代表的なものとして子宮卵管造影検査があります。
子宮から卵管に向かって造影剤を流し、レントゲンで卵管の通りを確認します。
※当院ではレントゲン検査を行っていないため、他院へご紹介させていただきます。
精液検査
専用容器に精液を採取し、精子の数や運動性などを確認する検査です。
不妊治療の一般的な流れ
通常は、タイミング指導からスタートすることが多いですが、治療法の選択はそれぞれのカップルの状況により異なります。
①タイミング指導
排卵日を予想し、その日にタイミングを合わせて妊娠をめざします。自然排卵に合わせる場合と排卵誘発剤を使う場合があります。
②人工授精
精子を子宮内に注入する方法です。通常は膣内に射精された精子が、子宮頸管(子宮の入り口)を乗り越えて子宮内に入ってゆきます。そのプロセスを「人工的」に行う方法ですが、精子と卵子の受精自体は自然に起こります。
※当院では行っていない治療法のため、他院へご紹介させていただきます。
③体外受精
体外に取り出した卵子と精子を受精させ、受精卵を子宮内に戻す方法です。受精障害があるかどうかの確認もできます。受精障害がある場合は、卵細胞内に精子を注入する顕微授精が行われます。
※当院では行っていない治療法のため、他院へご紹介させていただきます。