更年期について
毎月あった月経が不順になり、やがて50才頃に閉経します(1年間月経がなかったら「閉経した」といいます)。
閉経の前後5年くらいは、卵巣からのエストロゲンという女性ホルモンが低下するに伴い体調の変化が強く現れることがあります。
症状は?
ほてり、のぼせ、発汗は代表的な症状です。
その他にイライラや不眠などの精神症状や、関節痛、性交痛などの症状もみられ、骨密度の低下も問題になります。
症状は個人差が大きく、ほとんどない方から、日常生活に支障がでるほど強い方までさまざまです。
つらい場合は婦人科での相談をおすすめします。
どう過ごしたらよいのでしょう?
まずは、このような体調の変化があってもおかしくないこと、エストロゲンの低下に伴って起きていることを理解するだけで気が楽になるかもしれません。これまでより休息をよくとったり、意識的に気分転換になることをするのもよいですね。軽い運動も効果的です。
この年代は、身体の変化だけでなく、お子さんの自立や夫の定年、親の介護など、ご本人をとりまく生活環境や社会や家庭の中の役割にも変化がでてくる時期ですから、心も不安定になりがちです。
可能なかぎり環境を調整しますが、自分の力だけでうまくいかないこともあるでしょう。周囲の協力も得るようにしたいものです。
精神的な症状が強く日常生活に支障がでるときは、うつ病が隠れていることもあり、精神科での相談を考えた方がよいこともあります。
治療はありますか?
漢方薬
まずは試しやすい方法です。症状がかなり楽になることも多いです。
ホルモン療法
少なくなったエストロゲンを少量おぎなう方法で、効果的です。
現在、ホルモン剤は飲み薬、貼り薬、塗り薬などいろいろな形のものがあり、おひとりおひとりが使いやすい方法を選ぶことができます。
当院でホルモン療法を行う場合は、「ホルモン補充療法ガイドライン」にのっとって、安全で効果的な治療を行います。