子宮頸がん検診をうけましょう!
子宮頸がんとは
子宮の悪性腫瘍(癌)のうち、子宮頸部(子宮の下方で、首のようになっている部分)にできるものです。婦人科の悪性腫瘍の中で最も多くみられます。
通常のがんとは異なり、20~40代という若い世代の患者さんが多く、妊娠年齢と重なることも大きな問題です。
どうして子宮頸がんになるの?
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染であることがわかっています。このウイルスはありふれたもので、性交渉の経験がある人であれば、誰でも感染する可能性があります。多くの場合、感染しても自然に治るのですが、一部のタイプのウイルス感染が長引いた時に、子宮頸部の細胞が変化してがんになるのです。
現在のところ、このウイルスの治療薬はありません。
子宮頸がん検診とは?
子宮頸部の細胞を調べる検査です。内診台で子宮頸部の状態を直接確認して、表面を軽くこすることで細胞をとります。検査自体は簡単ですぐに終わります。検査の時に少し圧迫されるような違和感があるかもしれませんが、心配するような痛みはありません。
どうして子宮頸がん検診が必要なの?
ウイルス感染から細胞のがん化には、少なくとも数年かかると言われています。
そのため定期的に細胞の検査をすることにより、「異型細胞」というがんの手前の段階で異常が発見されます。異形成の段階で治療を行えばがんを予防できます。
万一がんが見つかる場合でも、定期的に細胞診を受けている方に発見されるがんは、ほとんどが初期のがんです。そのため、きちんと治療ができて命にかかわることはまずありません。
日本では残念ながら、子宮頸がんで亡くなる方が少しずつ増えています。
定期的に子宮頸がん検診をうけることで、子宮頸がんが命にかかわるようになる前に発見し、治療ができます。
そして異形やごく初期の段階の癌では、子宮頸部の一部を切除するだけの手術となりますのでその後の妊娠・出産が可能である、ということをぜひ知ってください。
子宮頸がんで命をおとす女性、そして治療のためにその後の妊娠を断念せざるをえない女性がひとりでも少なくなることが私たちの願いです。
ぜひ子宮頸がん検診をうけましょう。
子宮頸がん検診Q&A
子宮頸がん検診の検査方法とはどんなものですか?
子宮頸がん検診では、問診・視診・細胞診を行います。
検診の結果、細胞の異型やがんの疑いがある場合は、精密検査が必要になります。
精密検査では、一般的にコルポスコピー検査(膣拡大鏡診)を行い、異常が発見された場合には、その箇所の組織を採取する組織診を行います。
当院では、コルポスコピー検査に力を入れています。市の子宮頸がん検診や会社の定期健診の結果、精密検査が必要と言われた場合は、お気軽にご相談ください。
子宮頸がん検診の流れ
検診の日程と生理が重なってしまいました。検診を受けられませんか?
生理中の場合でも検診はできますが、正しい結果が得られないこともあります。
そのため、生理期間中の検診は避けていただいた方が良いかと思います。
子宮頸がん検診の費用はどのくらいかかりますか?
川崎市にお住まいの20歳以上の方で、前年度に川崎市子宮頸がん検診を行っていない方は、川崎市子宮頚がん検診を受けることができます。詳しくはこちらをご確認ください。
また、川崎市以外にお住まいの方で、子宮頸がん検診をご希望の方、自費料金表をご確認ください。
子宮頸がん検診で精密検査が必要と言われました
精密検査には、コルポスコピーと組織診があります。コルポスコピーとは、コルポスコープというライトの付いた拡大鏡のような機械で、異常箇所があるか確認します。コルポ診で異常が発見された場合には、その箇所の組織を採取する組織診が行われます。詳しくはこちらをご覧ください。
子宮頸がんの予防として、ワクチンがあるって聞きました
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスの持続的な感染が原因となって発症します。そのヒトパピローマウイルスの感染を予防するワクチンがあります。ご希望の場合は、当院までお問い合わせください。(TEL:044-872-8120)